2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

無意識からの力「歪曲行為」

歪曲行為心のなかの傾向によって読みちがい、書きちがい、などの生ずることは、日常われわれが経験することであろう。戦争中、フロイトは雑誌を読んでいて、Der Friede von Goz(ゲルツの平和)という文字をみたが、本当はDer Feinde vor Gorz(ゲルツの前面…

無意識からの力「偶発行為」

精神の深層に無意識の世界が横たわっていることは、上にのべてきたが、無意識の存在は日常全く気づかれぬものであろうか。フロイトは無意識中の傾向か意識に影響をおよぼすこと、無意識中の傾向をしめすような行動が日常生活中に認められることを指摘した。…

無意識の性質(3-3)

ある若い女性の夢である。青年が暴れる褐色の小ウマに乗ろうとしたが、三度失敗し、四度目にやっと乗ってゆくことができた、というきわめて簡単な夢である。象徴法によると、乗馬は性交を意味する。後にのべるように、夢は願望の実現であるから、この女性は…

無意識の性質(2-3)

レヴィンはボタンを買おうとして街に出たところ、街に出たということでボタンを買うのを忘れた、という例をあげて「ボタンを買おう」とする緊張が「街に出たこと」で解決されたとみなし(これは主観的の解釈であって、精神分析学派以外でも「了解」が行なわ…

無意識の性質(1-3)

フロイトは「夢」を無意識を探るための王道だとみなした。夢の性質を観察すれば、無意識がどんなものかが、はっきりするというのである。夢についての考え方には、レルミットも指摘しているように、二つの流れがある。第一は、夢はバラバラなもので、意味の…

無意識の世界

精神分析が、まず第一に、無意識の世界を探る「深層心理学」を意味することは先にのべた。意識のない状態のうちには、神経の伝導とか心臓の動きとか、完全に意識を離れた身体内の現象で、その結果「痛みの伝導でなく痛みという感覚、心臓の動きでなく、ドキ…