2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

深層心理学の方法「了解法」(2-2)

彼は決して了解をもって心理学の方法としようとしたのではないが「黒人が怒っている」という叙述の場合にみられるように、主観的にその表情の意味を了解してよいと考えているものであろう。精神分析は了解を方法とする。それは一種の了解心理学である。アレ…

深層心理学の方法「了解法」(1-2)

上の例で、性的の習慣が原因でシカメツラが生じたというのは実験で確かめたわけでなく、多くの似た例を集めた結果、結論を出したものでもない。自分の気持から推察して、原因=結果のつながりを考え出しているのである。日常、われわれは、あの人が自動車に…

心的因果(4-4)

こう解釈すると最初、わからなかった子供の不思議な行動も了解できる。フルールノアは結論した。この夏、この子供は父・・・この父は学校の先生と同様、権威のある恐い存在だった・・・にかわって、彼が心から望んでいた母の愛情を独占したかった。現実はそ…

心的因果(3-4)

「バッタの体をしゃぶったり、食べたりすること」からすぐに思い出した事は、福音書にある砂漠でイナゴを食べていたバプティスマのヨハネのことであった。これについて、彼はこうのべている。「この奇妙な物語は、子供だった私の心に刻みつけられていました…

心的因果(2-4)

ダルビエズはこの精神分析的解釈を検討して、これを普通の科学的推理と比較した。精神分析の仮説は、この習慣が意味「心理的原因」を持つということ、それが、おそらく苦痛な経験・・・無論、なんらかの精神内部の葛藤・・・によるということである。この仮…

心的因果(1-4)

日常生活のうちで、われわれは全く偶然的としか思われぬ行動をすることがある。何の気なしに顔をなでる、口笛をふくというようなことから、ふと物忘れをするとか書き損いをするとかいったことである。こんな行動には原因はないのだろうか。従来はこんな原因…

深層心理学(2-2)

フロイトはベルネームによって、意識しないで行なわれる行為が存在することを教えられたが、ブロイェルの観察はさらにこの考えを確かめた。ヒステリー症状は忘れていた事件で起された。病気の原因となった、痛手(感情的外傷)が、これは催眠法によって再現…

深層心理学(1-2)

精神分析とはまず第一に、この深層心理学を意味するのである。それは一般に知られているようにフロイトの天才に負うている。彼は若いときにフランスに学び、パリのシャルゴーついでナンシーのベルネーム、リエボーの研究に接触した。シャルコーのところで彼…

心の深層(2-2)

ファンが、なぜ全く別のブーフウンという人間になってしまったのか。ファンの意識しないものが、その精神の内部にあったと考えないでは解釈できぬであろう。第三に無意識の存在を示すものは、催眠状態である。ファンの例をも少しつづけることにしよう。1890…

心の深層(1-2)

人間の精神は大海に浮ぶ氷山にたとえられる。氷山では、海面に姿を出している部分の下に水中にかくれている巨大な部分があるが、これと同様に、人間精神の場合にも、意識されているものの背後に無意識の世界があるというのである。われわれは日常、自分で考…